[ I want to be an alpine photographer. ] /2019

 

先日知人とスカイプで話しているときに「人物写真と風景写真どちらが好きか」と質問されました。とっさに「どちらかと言えば風景写真が好きだ」と答えてしまいましたが、実際は人物にも風景にもあまり興味はありません。それからわたしは風景写真家になりきったまま雪や富士山の話でひとしきり盛り上がりました。うまく伝えられなくて諦めてしまう場面というのは日常の中でもしばしばあります。自然が好きなカメラマンになったり、散歩と昼寝が趣味の女の子になったり、他人を騙しているような罪悪感と予想外の展開への可笑しみを感じながら行ったり来たりしています。これはその中の一つのウソをホントにするために架空の私と実際の私とが折り合いをつけながら作った作品です。コミュニケーションの齟齬を意図的なウソにしないよう、現実との隙間を埋めるための行動として写真を撮りました。

 

2019年 「KAMOEあけるDAYS」(木下惠介記念館  浜松市鴨江アートセンター)に出品しました。